あらすじ
外に出られんまま、
スマホのニュースだけがしんどい現実を運んでくる。
「日本はもう終わり」「治安悪化」「負け組」――
そうやって毎日、心を削られよる人へ向けた物語じゃ。
広島・呉で引きこもる蓮、
暴力の家から逃げた陽斗、
東南アジアの地下組織に使い捨てにされたラフィク。
3人とも、「俺なんか」「生きとる価値ない」と思い込んどった。
でも、世界の犯罪データを調べてみたら、
本当にバグっとるのは“外の世界”のほうで、
日本で、家の灯りの下で、
ただ生き残ってること自体が、
じつはものすごい奇跡だと気づいていく。
怒らないお母さんの台所、
空き家の片づけ、
そして世界中で10万人規模の人が輪になって踊る盆踊り――。
「逃げたから今ここにおれる」
「引きこもりは、弱さやなくて“生き延びた証拠”かもしれん」
そう思えるようになるまでの、
静かで、でも確かに心がほどけていく再生の物語じゃ。
今、布団の中で動けんでおる人に、
そっと灯りを渡すための一冊。