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深海で目覚めた「私」は、何者かも分からないまま、終わりの見えない空腹を抱えていた。 動けば削れ、止まっても失われていく。 分かれてしまうはずの体は、なぜか一つに留まり続け、存在そのものが限界へと追い込まれていく。 何度も「ここまでか」と思いながら、それでも消えきれずにいたとき、 空腹は初めて“向き”を持つ。 暗さの底で、名も形も持たない存在
深海で目覚めた「私」には、名前も形もなかった。 あるのは、死にそうなほどの空腹だけ。 動けば削れ、止まれば消える。 暗く静かな海の底で、存在の限界に追い込まれたとき、 私は初めて「選ぶ」という行為を知る。 これは進化の物語ではない。 名前を持つ前の、何かの記録だ。