あらすじ
魔王軍の最底辺雑兵・カイは、戦闘力ゼロの落ちこぼれ魔族。
剣も魔法も使えず、戦場では常に逃げ腰――ただ一つ、人並外れて“運がいい”だけの存在だった。
ある日の防衛戦。
勇者の必殺攻撃を偶然弾いてしまったことをきっかけに、なぜか勇者軍が総崩れ。
それを見た魔王軍は大混乱。
「……まさか、あれが噂の切り札?」
「敵を動かさずに制圧する“静の戦術”だと……!?」
こうしてカイは、
「何もしていないのに最強」
「考えていないのに最深の知略」
「立っているだけで戦争を終わらせる男」
として、魔王軍の救世主に祭り上げられてしまう。
本人は「全部偶然なんだが!?」と必死に否定するも、
魔王は彼を側近に抜擢、
魔族たちは伝説として崇め、
さらには魔王の娘にまで意味深な視線を向けられる始末。
一方、敵国の勇者たちは彼を
「正体不明の最恐存在」と誤認し、
勝手に恐怖し、勝手に撤退していき――。
逃げたい雑兵と、勘違いが止まらない世界。
これは、運だけで英雄になってしまった男の、
明るく笑える勘違いファンタジー戦記。