あらすじ
宮代そよいは、笑うことができなくなってしまった。
自覚してしまったあの日から、暗い表情のまま暮らしてしまえば周りから突き放され、変わらないまま高校受験の日を迎えてしまう。
辛く、苦しく、でも自分が変わるためにと踏み出した受験日当日、バス内で出会った彼──三原綾人は自身の心を和らげてくれる存在であった。
雪の上を盛大に転び、置いていけば情けなく息を切らし、ゲームで負けた彼は悔しそうに口を噤む。
面白いと感情を蘇らせてくれる、そんな遠い親戚となる彼とは、公立校の受験を合格すれば共に暮らすこととなっていた。
お試しで泊まっていた別れの日、その時伝えるは抱えた気持ち。
「私、笑うことが、苦手なの……」
濁した形で伝えれば、彼女の背景を知らない三原綾人は頷き、日が経つごとに心の中で思う──彼女を笑顔にしてみたいと。
これは高校生という名の青春であり、親との壁を作ることになってしまっていた、ふたりを中心とした物語。
*不定期更新
旧作題名『臆病な自分にさよならを』