あらすじ
韮山代官所が管轄する伊豆・三島の山中で『大塩平八郎の手紙』が発見された。
韮山代官・江川太郎左衛門(えがわたろうざえもん)英龍(ひでたつ)は、幕府高官達を告発したこの手紙が幕府に回収され揉み消される前に秘密裏に書き写した。
案の定幕府はこの手紙の内容を秘匿(ひとく)したが、英龍はこの手紙の内容をなぜか知っていて利用している者の存在に気づく。
南町奉行・鳥居耀蔵(とりいようぞう)である。渡辺崋山(わたなべかざん)、高野長英(たかのちょうえい)、高島秋帆(たかしましゅうはん)ら蘭学に長けた者達を次々と陥れた彼はどのようにして『大塩の手紙』の秘密を知ったのか。
一通の手紙から始まる事件は複雑に絡まり合い、やがて幕府を揺るがす大騒動となる。
(短編『夜明け前に死んでしまった英雄と奥方様と妹』を大幅に加筆修正した作品です。)