あらすじ
百貨店一階の化粧品売り場――通称『デパコス』。
就職を控えた佐々木 志乃は、その場所を訪れる。けれど、華やかな光と香りに満ちた空間は、彼女にとって『自分が入っていい場所なのか分からない場所』でもあった。
そんな志乃を迎えたのは、BA(ビューティーアドバイザー)の藤原。
かつて同じように、『似合わないものを選ぶのが怖くて、何も選べなかった』過去を持つ彼女は、答えを押しつけるのではなく、自分で選べる場所まで志乃を静かに導いていく。
その小さな一色は、ただ唇を彩るだけではなく、自分で決めることを恐れていた彼女の心に、春の光を灯していく。
これは、『最初の一色』を選ぶまでの、小さな勇気の物語。