あらすじ
妖精は、人に飼われる存在だ。
値をつけられ、飾られ、
夜は抱かれる。
欲望のまま触れる手もある。
優しさのふりをする声もある。
そして、ときどき――本当に優しい人間もいる。
それが一番、苦しい。
森で旅人を助けた妖精。
没落した元飼い主を忘れられない妖精。
恋愛対象になれないと分かっていながら、主人を想う妖精。
消費されることには慣れている。
傷つくことにも。
それでも恋をしてしまう。
抱かれなくてもいい。
選ばれなくてもいい。
ただ一度だけ、
「お前がいい」と言われたかった。
優しさが刃になる世界で揺れる、
檻の中の妖精たちの切ない連作BLファンタジー。