あらすじ
戦えない荷運び係のシオンは、村を守るためではなく、崩れた後に人を生かすための備えをしていた。
夜でも逃げ道がわかるよう旧道に青い布を結び、水を小分けにし、怪我人を運ぶためのソリと縄を整える。だがその備えは「逃げる準備だ」と嫌われ、シオンは村を追い出されてしまう。
その夜、雪解けで緩んだ山が崩れ、村は泥と岩に呑まれた。
追放されたはずのシオンは、誰も信じなかった青い布の道を頼りに村へ戻り、避難路を作り、怪我人を運び、混乱する人々を生かしていく。
これは、剣ではなく備えで命を救った荷運び係の物語。
夜に見失わないために結んだ青い布は、やがて村に残る“しるべ”になる。