あらすじ
下野宇都宮家第20代当主、尚綱は、那須家との合戦(五月女坂の戦い)で討死した。これに乗じた宇都宮家重臣、壬生綱房は反旗を翻し、宇都宮城を占拠した。
混乱の最中、もう一人の宇都宮家重臣、芳賀高定は、尚綱の遺子で、5歳の伊勢寿丸を抱えて宇都宮城を脱出し、居城である真岡御前城へ伊勢寿丸を匿った。
宇都宮家は存亡の危機に立たされたものの、高定はじめ、家臣らは伊勢寿丸を元服させて第21代当主、広綱として擁立し、結束を固くした。
高定は、理非曲直を正すことと、宇都宮城奪回を目指して行動を開始する。まずは那須家当主、高資を謀略を用いて横死させ、次いで宇都宮家に刃向かった芳賀高照を自害させた。
宇都宮城奪回に向けて、高定は外交も駆使した。佐竹家と協同関係を結び、北条家とは中立の約束を取り付けた。
満を持して、高定ら宇都宮勢が宇都宮城へ進攻すると、壬生綱房死去後、跡を継いだ綱雄は、宇都宮城退去を余儀なくされた。高定は8年越しで宇都宮城奪回を成し遂げ、幼主広綱を迎え入れた。
高定は宇都宮家を再興し、家宰として戦後処理を終えると、芳賀家の家督を高継に譲って隠居、以後は公の場に顔を出すことなく余生を送った。
宇都宮家への忠義を尽くした芳賀高定の生きざまを綴った中編です。
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