ページ:1(2件表示) / タグ一覧へ
4月13日 極楽の蓮池で釈迦くんが細い糸をおろしていた。悪党カンダタを救うためだというが、ぼ僕は「そんなの、すぐ切れるよ」とお余計なアドバイスをしてしまう。納得した釈迦くんが、必死に極太縄を編む横で、僕は自分の奇妙な日常を綴った日記を詠みあげることにした。
大学の食堂で、主人公は同級生の平山峻と昼食を共にする。 平山は頭脳明晰で人望も厚く、本来なら名門大学に進めるはずの人物だが、なぜか主人公と同じ大学に通っている。そんな彼が、その日は奇妙にもカレーライスを箸で食べていた。 理由を尋ねると、平山は"悟り"と書かれた正体不明の本を読み、固定観念からの完全な脱却を実践しているのだと言う。その本は、常識を意図的に破る行為を重ねることで、やがて「悟りの世界――涅槃寂静」に至ると説いていた。 本の冒頭には「決して行うべからず」という強い警告が書かれており、主人公は不安を覚えるが、平山はすでにその実践を始めていると語る。箸でカレーを食べる行為も、その一環だった。 主人公はその教えの矛盾点に気づき、なぜそこまで危険を強調する必要があるのか疑問を投げかける。平山も一瞬立ち止まって考えるが、明確な答えは出ないまま、その日は別れる。 ――しかしそれから一週間、平山は大学に姿を現さなくなる。