あらすじ
勝ち続けなくていい。
最初の1回だけ、世界を狂わせればいい
………
岡山県北の小さな町にある、勝山高校。
スター選手もいなければ、甲子園の常連でもない。
ただ、ずっと同じ顔ぶれで育ってきた9人が、
毎年、同じように野球をしている。
不思議なことに、この高校は初戦だけ強い。
強豪校と当たっても、なぜか1回戦だけは勝ってしまう。
でも、その先は勝ち続けない。
いつも、普通に負けて終わる。
「たまたまだろ」
「運が良かっただけだ」
そう言われ続けてきたこの現象に、
一人の確率論の学者が興味を持った。
彼が調べたのは、
才能でも、練習量でも、根性でもなかった。
そこにあったのは、
信頼・空気・恐怖のなさ、
そして「最初の一歩」を一緒に踏み出せる関係性だった。
計算の結果、
勝山高校は初回で流れをつかむと
72.2%の確率で勝つことが分かる。
勝ち続けなくていい。
有名にならなくていい。
ただ、最初の1回だけ、本気でぶつかればいい。
これは、
無名の9人が世界の計算を一瞬だけ狂わせた話。
そして、
「生きていてもいい」と思えなくなった誰かに届く、
小さな逆転の物語。