ページ:1(1件表示) / タグ一覧へ
幸次と共同作業で作った風鈴は夕子にとって大切な思い出の品になった。 夕子は風鈴に『ふうくん』と名前を付けて大切にしていた。 赤ちゃんの手が当たって割れてしまったふうくんは箱に入れて引き出しにしまわれた。 引き出しの中でふうくんは『忘れられた存在』として存在していた。 数十年後、白髪交じりになった夕子の手によって『金継ぎ技法』で風鈴はふうくんになって夕子のもとに帰ってきた。 夕子はふうくんを忘れたことはなかった。 姿かたちが変わっても、音が変わっても、ふうくんは夕子にとって宝物であることに変わりはなかった。