あらすじ
江戸の裏路地で小さな薬屋を営む主人公・薬袋は、毒と薬の境界に魅了される変わり者。ある日、知り合いの権兵衛から、旗本・松平家の屋敷で起きる奇妙な事件の調査を依頼される。若様と側室たちが次々と原因不明の病に倒れ、部屋には梔子の甘い香りが漂う。女中たちは「梔子の呪い」と噂するが、薬袋は科学的な原因を疑う。
奉行所の同心・橘とともに屋敷を訪れた薬袋は、病の症状から中毒を察知。梔子の香りを隠れ蓑にした巧妙な毒殺計画を暴き、犯人を追及する。異国産の猛毒「鉤吻」を使った陰湿な手口の裏には、嫉妬と憎悪が渦巻く人間ドラマが。薬袋の知的好奇心が、呪いのベールを剥がす!
江戸の風情と毒薬の知識が交錯する、息を呑むミステリー。未知の薬草を巡る薬袋の冒険は、まだ始まったばかりだ。