あらすじ
境界技術〈サードパス計画〉の中心にいた男は、
家族を守るために鏡淵へ来た。
だが、Δsが上昇するたびに揺れたのは——
技術ではなく、家族の方だった。
本作は、神代重工プロジェクトリーダー・瀬戸宗一が
「準備段階〜計画一時凍結」までに残した
非公式の個人記録である。
数値の変動、影の偏り、同期反応。
技術者としての判断と、父としての迷い。
恵子との距離、夕奈と夕莉の揺らぎ、
晴斗の沈黙——
そのすべてが、境界の揺れと重なっていく。
愛していたから連れてきた。
その選択が、罪になるとは思わなかった。
本編では語られなかった“父の視点”が、
鏡淵の調律の裏側を静かに照らす。