あらすじ
時は寛政年間、田沼意次が失脚し、老中・松平定信が幕政を行う。寛政の改革も徐々に行き詰まり、徐々に世間に暗雲が立ち上る。その時代に、花菖蒲というアヤメに似た花を数多く作り出した旗本・松平左金吾定朝という人がいた。能吏としては非常に優秀で、やがては、西の丸目付から禁裏附、そして京都西町奉行まで出世する。その左金吾がまだ出世する前の部屋住みの時、やっとう(剣)の稽古帰りに、強盗殺人事件の現場から1輪の花菖蒲が見つかった。そこから、左金吾の父に嫌疑がかけられ、左金吾はさまざまな思惑と事件の波にのまれていく。
同じ年に生まれた将軍・徳川家斉や田沼意次の孫である田沼意明と運命の糸が絡み合う。そして、植物好きの幕臣・水野忠暁に助けを求めながら、現場に残されていた花菖蒲の謎を解いていく。左金吾の父の同僚である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵や「耳袋」でおなじみの勘定奉行の根岸鎮衛、松平定信の懐刀で画家の谷文晁、さらに加わえて、変人で何を考えているかわからない松浦静山など、時代の寵児を巻き込んだ展開。
謎に迫れば秘密の結社から命を狙われ、権力と政治に翻弄されていく、若き日の松平左金吾定朝の切れ味抜群の剣の腕前と推理でさらに犯人を追い詰めていく。黒幕はだれなのか、そして大人たちの思惑は何なのか、さらに時代の事件が重く影となりのしかかってくる。
左金吾は無事、事件解決できるのか。
読みやすいように現代の口語を中心に執筆しました。
※この物語はフィクションです。実際の歴史的背景を念頭に置いて執筆しますが、事実ではありません。予めご了承ください。