あらすじ
世界には、存在してはならない力がある。
それを持つ者は、英雄にならない。
俺はある日、理由もなく「ズレ」を踏み抜いた。
物が消え、記憶が欠け、因果が途中で終わる。
世界は何事もなかったように再構築され、
違和感だけが俺の中に残る。
それは覚醒と呼ばれた。
だが祝福ではない。
管理と秩序を司る《監理庁》は、
世界の安定を乱す個体を危険指定として分類し、
隔離し、消す。
逃げ場はない。
戦っても救われない。
使えば使うほど、世界から弾かれていく。
これは、
世界に守られなかった側の物語。
名前を削られ、記録から消されながら、
それでもなお「俺」であろうとする存在の記録だ。