あらすじ
大学病院に勤務する天才外科医・**白鷺帆乃香(30)**は、感情を一切表に出さない冷徹な医師として知られていた。
彼女は患者に対して常に合理的で、時に非情とも言われる判断を下す存在だった。
そんな彼女が担当することになったのは、火事で家族をすべて失った青年・夜神蒼爽(20)。
唯一の生存者である彼は、穏やかな笑顔を絶やさず、悲劇を感じさせないほど静かに日常を受け入れていた。
しかし検査の結果、彼は進行性の難病――脊髄小脳変性症を患っていることが判明する。
治療法はなく、未来はゆっくりと失われていく病だった。
帰る家も、家族も、未来もない青年。
そして、感情を持たない医師。
二人は“医師と患者”として出会うはずだった。
だが帆乃香は、蒼爽の「壊れていない笑顔」に異常な執着にも似た感情を抱き始める。
そして彼女は医師としての倫理を超え、静かに告げる。
――「私と結婚しよう」
それは治療でも説明でもない、合理性を逸脱した“契約”だった。
帰る場所のない青年を自分の世界に置くための、0日婚の宣言。
周囲には完全に秘密のまま始まる奇妙な婚姻関係。
病院では冷徹な医師として振る舞いながら、夜の病室ではただ一人の女性として彼に微笑む帆乃香。
やがてその関係は、医療倫理、社会的常識、そして“死に向かう時間”の中で、静かに形を変えていく。
これは――
「救う側だった女が、救われていく物語」でもある。
そして同時に、
「失われていく青年と、彼を手放せない医師の、静かな結婚生活の記録」。
【 投稿時間 】1日の朝10:00&夜20:00
冷徹で白鷺の様な女医と難病を持つ普通の大学生の物語