あらすじ
「便利な生活ほど、戻り道がない。」
67歳の同窓会。
豪華な料理、整った空間、正確に鳴る電子レンジ。
なのに、なぜか胸の奥が空っぽだった。
この生活は便利だ。
でも――「戻る道」がない。
そんな夜、偶然テレビに映ったのは
タイの山奥にある、住所を持たない村。
そこでは、鶏の下で魚が泳ぎ、
骨も皮も捨てずに、静かに世界が巡っていた。
減っても、慌てない。
80%になっても、笑っている。
なぜなら彼らは、戻し方を知っているからだ。
一方、日本の生活は、
速くて、正確で、完成されすぎている。
だから壊れた瞬間、何も戻らない。
「100%とは、満ちることじゃない。
戻れることだ。」
そう気づいた67歳の男は、
村へ行く代わりに、
“戻す癖”を自分の台所に持ち帰る。
卵の殻を洗う。
皮を捨てない。
たった5分、終わらせない。
それは革命でも、エコでもない。
ただ、壊れ方を遅くする生き方の話だ。
便利な世界で、
なぜ若者の心は80%で止まるのか。
そして――
あなたの生活には、
元に戻る道が残っているだろうか。