あらすじ
深夜0時53分。
高校一年の山下孝は、姉と狭い団地で寝床を分け合いながら、お気に入りの深夜ラジオ《ドッとライジング!》を欠かさず聴いていた。
笑いと下ネタで始まるその番組は、ある夜、地元・奥里坂町を題材にした《心霊特集》を放送する。
──“風の止まるトンネル”。
それを境に、録音ファイルから音が消え、放送そのものが失われる。
やがて町の風が止まり、人々の息づかいまでもが静まり始める。
そして、番組のパーソナリティ・掛水が消息を絶った。
異音の正体を確かめるため、孝たちは封鎖されたトンネルへ向かう。
そこで見たのは、風を封じるために埋められた僧と赤子の即身仏──
そして、笑いを媒介に「死者の息」を呼び戻そうとする掛水の残響だった。
風は命であり、声は記憶。
失われた放送の向こうで、誰かが今も囁いている。
──レッツ、ライジ〜ング。
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*登場人物・用語は第一章の後書きをご覧ください。
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