あらすじ
霊と魔が交錯するアノンノア天則の世界。
その一角、《聖アージェンティウム共和国》では、静寂こそ絶対の善とされ、
“音” を奏でることすら罪だった。
若き職人・槻沢奏真は、魂の相棒《シラベ》と共に、禁じられた “音” を紡いでしまう。
“音” を封じられた社会からの逃亡。
数多の都市を渡り歩く中で、彼は見た。
《数字》で空気を測る街。
《取引》で心を換算する世界。
そして、鼓動するように息づく都市――《アノンノア》。
そこでは、人は『志』を秩序として生きる。
階級も沈黙の掟もなく、
一人ひとりの “奏でたい音” が重なり響き合う社会。
彼の一音が世界の《律》を揺らし、
抑圧と静謐を越えた、新たな調和の序章を告げる。
――これは、『志』という音を見つけた亡命者が、
絶望の闇に光を灯し、星々の未来を紡ぐ物語。