あらすじ
「はーい、次の肩こりの魔法師さ~ん! お入りくださーい!」
四神(朱雀・青龍・白虎・玄武)の加護によって成り立つ世界、龍界。
その中央に位置する診療所を営むのは、若き気導士・ナギ。
彼女の武器は、剣でも魔法でもなく、使い慣れた「鍼筒(しんとう)」と、世界の違和感を読み取る「気脈診断盤(スキャナー)」。
「属性火力の出しすぎで回路がオーバーヒート気味ね」
「結界のコードが古くなって、パッチが剥がれてるわよ」
そんな風に、人々の体や術式の「不具合(バグ)」をデバッグするのが彼女の日常だった。
しかし、龍界の命脈を司る王子が眠りに落ちたとき、世界という名のOSは致命的なクラッシュへと向かい始める。
四神の神殿を侵食する「闇のミスト」。
滞る風、凍りつく火、消去される結界。
ナギは毒物探偵の三毛猫ハチ、そして次代を担う四神の神官候補たちと共に、世界の「詰まり」を解消(デバッグ)するための往診へと旅立つ。
それはやがて、彼女自身の血筋に眠る伝説の存在――「黄龍」の目覚めへと繋がっていく。
毒舌な相棒と、少し騒がしい仲間たち。
これは、世界を調律する一人の女性と彼女を取り巻く優しい日常の記録。