あらすじ
「ねえ、お父様。私、退屈なの。お人形遊びがしたいわ」
資産家であり実業家の父におねだりした白坂玲子が手渡されたのは、父の会社の研究室を二十回中十九回爆発させた、未完成の「神の演算機」を搭載した可愛らしいAI人形二体――購入費用、二十億円。
玲子はこのお人形たちとのんびりスローライフを過ごすため、老執事のクロサワ、元傭兵のイカロスと共に、非合法組織『Black Well』を始動させる。
一分間動かすだけで五億円が吹き飛ぶ、禁忌の量子計算機。 超電導が走る極寒の中、コバルトブルーの光(チェレンコフ光)が指令室を染める時、一分間だけ、玲子は「世界線を書き換える神」を現実に降臨させる。
神はネットワークを、物理障壁を、因果律を書き換え、ターゲットを社会的に抹殺した。
だが、玲子にとってこれは正義でも復讐でもない。 ただ、サザエのつぼ焼きを食べ、美味しいコーヒーを飲む――そんな静かな生活を満喫するための、ちょっとした資金稼ぎに過ぎなかった。