あらすじ
物語は、音羽杏菜が安中榛名高校の入学式を迎える日から始まります。中学に吹奏楽部がなかった彼女は、高校での活動を心待ちにしていました。校門で、偶然トランペット奏者の高峰春菜と出会い、同じく吹奏楽部への入部を希望していることを知ります。意気投合した二人は、入学式後の部活動紹介を一緒に見に行くことにしました。
吹奏楽部の演奏を聴いた杏菜は、その温かく生き生きとした音色に心から感動します。一方で、中学時代に「完璧」を追い求めて挫折した経験を持つ春菜も、この音色に心を動かされ、再び音楽への情熱を取り戻します。
吹奏楽部への入部を決めた二人ですが、入部手続きの際に、安中出身と榛名出身であることをからかう男子生徒たちに遭遇します。その時、二人の前に現れたのが、東京から転校してきた鳴瀬友理でした。彼女は凛とした態度で男子生徒たちをたしなめ、杏菜と春菜を助けます。
友理は、かつて全国大会常連の強豪校に所属していましたが、勝ちにこだわるあまり「無機質な音」しか奏でられなくなったことに苦悩していました。しかし、安中榛名高校の温かい演奏に触れ、もう一度音楽の楽しさを取り戻したいと入部を決意したのです。
新入部員の三人は、それぞれ異なる過去と挫折を乗り越え、安中榛名高校の吹奏楽部で新たな一歩を踏み出します。そして、彼らの音楽は、単なる部活動の枠を超え、町全体の未来を紡ぐ壮大な物語の始まりとなるのでした。