あらすじ
すべての魔法が終わる前に──
同性でも異性でもある王子と魔術師の交響神話。
音楽こそが魔法となる波空国。
魔法の源は〈流〉という音楽の精霊だった。
王子・静湖は〈流の祭司〉に任じられ、教育係である青年魔術師・御影から魔法を教わる。
静湖は幼い頃から、御影への恋をつのらせていた。立場も年齢も性別も超えた恋だ。
御影からの愛を得たいあまり女装をし、女の子になれたら、と心が揺らいでいた。
一方で御影は、静湖に明かすわけにはいかない秘密を抱えていた。
それは御影が、静湖の父・国王の伴侶であるということ。
御影もまた性別に揺らぎ、男としての心も女としての心も抱えている。
闇の中で生きるかのような隠された自分を、静湖に照らしてほしいと希求しながら……。
恋にこがれる静湖のもとに、〈人〉の姿をした謎めいた〈流〉・白流が現れる。
白流は静湖に、御影の秘密を見せつけたのち、交響で王都を呑んでしまう──。
襲撃を受けた王都で、御影は静湖の記憶を封じ、危険な音楽の魔法をかけて逃がす。
静湖は王都から遠く離れた湖畔の喫茶店に保護され、
水晶や動物や楽器から〈人〉となった者たちを仲間とし、記憶を取り戻す。
生まれた地を訪れ、自らの生まれと〈流〉に関わりを知った静湖は、
幻の巫女となっていた母の願いで、王都を白流から解放することをこころざす。
帰還した王都で静湖を待っていたのは、本当の姿を明かした御影だった。
静湖は御影を受け入れ、ともに白流の説得に向かう。
だが白流はすべての〈人〉を〈流〉とした理想郷を作るという未来を語り、
自らの命を使って、王国中に〈流〉の次元を反転させる大災害を引き起こす。
反転を止めるため、静湖の味方となったあまたの〈流〉が力を使いはたす。
すべての魔法が消えたとき、静湖と御影の決断は──。
白流が秘めていた恋。静湖とともにその身を投げうつことを望む御影。
幼さと危うさをはらんだ禁断の恋は、あまたの生を流転してきた神話の恋に昇華されていく。
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