あらすじ
「え?お休みが無い……のですか?…………あの、念のためにお伺いしますが、睡眠時間はどれほど…………覚えていらっしゃらない?もしかして、寝ることなくお仕事をされていらっしゃいます?」
わたくしの尋問……いえ、質問に対し、目の前の男性は、意識をかろうじて保っているような表情で、首を縦横に振るだけで答えます。
まだ仕事をしなければ、と頑固に言い張る彼を、とりあえず座り心地の良いソファに移動させ、その向かい側にわたくしも座り、聞き取り調査をしていました。
体裁を保っている程度には身嗜みが整えられているものの、目の下の化粧を間違えたのかと思うほどの濃い隈、やせこけた頬肉、光の入らない瞳、そして何より、覇気のない表情と声。
これが、あの強く優しく将来を期待されていた『カロ―国』の王子殿下だなんて。
過労気味の職場に仕事ができる人がやってきたら、ちょっとした職場改革で健康とプライベートを取り戻すお話。