あらすじ
梅雨の午後、大学生の早苗は過疎掲示板で「逆さにしないでください」と書かれた1Kの間取り図を見つけ、好奇心で画面を逆さにした瞬間、図面が歪んだ“顔”としてこちらを見返すのに気づく。翌朝、彼女は取り壊された旧団地跡地へ向かい、押入れの位置に溜まる黒い雨水と、焦げた板切れに残る「401 最終住人 深夜出火」の文字を拾う。以後、間取り図は夢に侵入し、押入れは異様に深い闇となり、そこから感情の抜けた“もう一人の早苗”が覗き始める。目覚めれば窓辺に泥の筋が増え、鍵は閉じたままなのに“中”には何かがいる。やがて早苗は大学から消え、部屋には押入れの位置に彼女の顔が浮かぶ新たな図面だけが残る。最後に投稿された警告——「間取りは顔。押入れは口。吸い込まれるな」。それでも「最後の間取り図」はネットに再投稿され続け、見る者を覚え、待ち続ける。