ページ:1(2件表示) / タグ一覧へ
「ウチは、普通の家庭だ」 そう信じて疑わない母。 家族を支えているつもりの父。 両親を“いい人”だと思い込む息子。 誰もが自分の幸福を信じ、互いを見ようとしない。 その家の夜は、静かで、平和で、どこか冷たい。 何も事件は起きない。ただ少しずつ、確実に、 “普通”が崩れていく音だけが聞こえる——。 家庭という小さな密室の中で、 誰も見ていない夜が、今日も訪れる。 ※この作品には、家庭内での性的搾取・心理的支配の描写を含みます。 行為そのものの直接的な描写はありませんが、登場人物の視点を通して、 被害と加害、沈黙と共犯の構造が暗示されます。 読む方によっては心理的な負荷を感じる可能性があります。 ご無理のない範囲でお読みください。
僕と采子が秩父市郊外のマイホームに住むようになってから1年になる。 家の周りは田畑に囲まれていたはずなのに、ある朝、起きてみてビックリ。なんと隣に、降って湧いたように新居が建っているではないか。 昼、BBQをしているとその隣人が姿を見せ、勝手に敷地に入り込んできた。これからの近所付き合いに波風立たせたくない僕は、一緒にBBQをどうかと勧める。 この男――入川と名乗るずんぐりむっくりの男は、あれよという間に食材を平らげ、ビールまで飲み尽くしてしまった。 あきれて開いた口がふさがらない。 ……それからというもの、入川は頻繁にマイホームに上がり込み、食べ物を漁る始末。 采子は言うのだった。 「あの人って、今話題になってる『食い尽くし系』じゃない?」 隣人はまさに侵略者だった。 ※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。 ※本作はしいな ここみさま主催『朝起きたら企画』の参加作品です。 ※本作は本作は武 頼庵さま主催『すれ違い企画』の参加作品です。