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アルシェリア王国では、香りもまた貴族の装いだった。 婚約者の好みに合わ せ、“穏やかで控えめな香り”ばかりを纏ってきた伯爵令嬢セレナ。 けれど本当に好きだったのは、雨上がりや朝露を思わせる、静かで深い香りだった。 ある夜会で、自分でも忘れかけていた“本当に好きな香り”へ気づいてくれた青年と出会ったことで、セレナは少しずつ、自分の好きなものを取り戻していく。 これは、“誰かに好かれるための香り”ではなく、“自分のための香り”を見つける物語。