あらすじ
「強い魔物と戦える世界に行きたい!」
魔法の存在しない平穏な貴族社会に飽き飽きしていた令嬢、リオラ・ド・ノワール。黒を愛し、隠し剣を仕込んだパゴダ傘を携え、見た目だけは「最強の女騎士」を気取っていた彼女は、家宝の不思議な石を用いて異世界へ飛び出す。
辿り着いた先は、物に魂が宿る「器霊(きれい)」が人々と共生する中華風世界、玄華界(げんかかい)。
意気揚々と魔物に挑むリオラだったが、現実は甘くなかった。魔法も気功も持たない彼女は、最弱の魔物にすら手も足も出ず、自慢のドレスを泥で汚して絶望する。そんな彼女を救ったのは、器霊を操る少女たちが集う宿、碧蓮楼(へきれんろう)の面々だった。
帰還の手段を失ったリオラは、慣れない旗袍(チーパオ)に身を包み、居候として働くことになる。そして、自身の右手に輝く「ブラックダイヤモンドの指輪」に宿る、毒舌な幼女姿の器霊・ノワールとの出会い。
これは、理想と現実のギャップに打ちのめされたお嬢様が、道具に宿る「想い」と「記憶」に触れ、本当の強さを手に入れるまでの物語。
「ノワール、これが私たちの――最高の礼儀よ!」
黒傘の令嬢が、漆黒の炎を纏って異世界の空を舞う。