あらすじ
子供の頃から兄の背中を追って野球をやってきた鳴沢夏帆、中学三年生。進路を決めなければならない今、夏帆は女子生徒ながらも選手として野球をやるための高校を選ぼうとしていた。
それは、中学時代に軟式野球部で投手として活躍し、怪物とまで言われた一つ年上の兄光輝のことだ。背番号1番を付けて甲子園を目指した高校一年生の夏に、大けがをしてしまったことが原因で高校を退学し、目標を失ったショックで精神的な障害を負ってしまったのだ。その兄の病気を治すためには、兄妹でがんばってきた野球で自分が大会に出場し、選手としてプレーをする姿を見せること。それが、兄の病気が改善するきっかけになると考えてのことだった。
そして入学した滝岡高校。兄光輝への思いを胸に野球部に入部した夏帆。しかし、女子生徒ということで選手としての制限や試合出場へのただならぬ非難など、次から次へと想像を超える重圧がのしかかる。そのことを重くとらえた夏帆は、このままでは自分のせいで野球部のみんなに迷惑をかけることになる、仲間たちのためにも自分は野球をやってはいけない。と考えて高校野球を断念しようとする。
夏帆の高校野球断念を知った野球部員たちは、夏帆を助けようと奮闘する。その仲間たちの思いと兄光輝への思い、それに対して自分を否定する現実。複雑な思いが入り乱れる中、それでも必死にがんばる夏帆。
その活躍する姿を目にする兄光輝は、緊迫した試合や白熱の応援合戦など、高校球児の力と力のぶつかり合いに刺激を受けるようになていく。
夏帆の、光輝の思いを乗せた高校野球。
二人の野球はだまだ続いていくのだ。