あらすじ
魔法が社会基盤になった時代。知識があれば誰でも術式を起動できる一方、街を守る高位魔法は高出力者と企業に独占されていた。東都位相工学高専に入学した白瀬湊は、出力Cの後方支援区分。だが彼は、壊れた術式、古い公共設備、人の小さな魔法をつなぎ直し、現場で機能する形へ設計することに異様な強さを持っていた。救助科の神崎灯と出会った湊は、過去の災害報告書に封じられた危険理論「共鳴分散式」の痕跡を知る。それは、一人の天才に集中していた高位魔法の負荷を、街の設備と複数人へ分散できるかもしれない設計思想だった。これは最強の魔法使いの物語ではない。魔法が届かない場所へ届く仕組みを設計しようとする、ひとりの魔法設計士の物語である。