あらすじ
十九歳の白川宵は幼い頃に両親を亡くし、多額の借金を背負い、高校を中退して生きるために街に出た。
彼女は祖母から受け継いだ陰眼を持ち、普通の人には見えない古物の陰気、未練、霊の姿を見通すことができる。
人々が忌み嫌う禍々しい古物は、彼女にとって唯一の生きる手段だ。
再開発で荒れ果てた古物街には、誰も手をつけようとしない妖しい道具が溢れている。白川宵はただ一つのルールを守り、因果を問わず、欲を出さず、陰物を買い取って命をつないできた。
千円で手に入れた古い紅木の鏡が、彼女の平穏な日々を覆す。
何も映らない鏡面、夜ごと現れる赤い女の霊、古物に宿る無数の穢れ——
幽冥を見通す少女は、命を賭けて人間界と妖異の狭間を生きる。
誰も触れられない妖物たちは、これより彼女のものとなる。
闇と共に生き、陰を糧に這い上がる、異色の古物怪談譚、ここに開幕する。