あらすじ
世界を襲った奇病は、人々の肉体と魂を分離させた。
声を失い影の姿となった魂は“怪物”と誤解され、
人々は魂を排除し、肉体だけを「治療のため」と称して保管した。
──それから千年。
高い壁に囲まれた街で暮らすリオは、
外を知らず、死も病もない穏やかな日々を送っていた。
だがある日、壁の門がわずかに開き、
千年前に捨てられた魂たちが街へ流れ込む。
影に触れられた者は黒いひびを刻まれ、光となって消える。
逃げ惑う人々の中で、リオは気づく。
自分を追ってきた影は──千年前の“本来の自分”の魂だった。
魂は肉体に戻れない。
そして暴走した魂は、肉体を殺すことでしか終われない。
抗う術はない。
逃げ場もない。
街は静かに滅びていく。
リオは最後に、
自分の魂と向き合うことになる。