あらすじ
【物語の概要】
街の喧騒に隠れるように佇む骨董店 店主の九条湊は、遺品に触れることで持ち主の記憶や感情を読み取る〈遺品感応〉の能力を持っていた 。ある日、湊のもとに記憶を失った少女の生霊リリが現れる 。彼女の正体は、数百年前、徳川秀忠と江の間に生まれ、歴史の闇に葬られた初姫であった 。
【第一部:江戸の呪縛と宿命の対決】
江戸の霊的結界を私物化せんとする怪僧・南光坊天海は、純粋な魂を持つ初姫を「究極の要石」として利用しようと画策する 。
湊とリリは、安倍美晴や蘆屋道徹といった陰陽師たち、そして歴史の荒波に翻弄された川島芳子、武市半平太、真田幸村ら「迷霊(ゴースト)」たちの力を借りて天海の野望に立ち向かう 。
湊に流れる「浅井の血脈」と、母たちが遺した「祈りの結界」が共鳴したとき、数百年の時を超えた呪縛が打ち破られ、リリは生身の人間として現代に蘇る 。
【第二部:自らの意思で生きること】
肉体を取り戻したリリと湊の前に、次なる迷霊たちが現れる 。
天海という巨大な「システム」が消えた後に残ったのは、より個人的で深い愛憎や執着を抱えた魂たちだった 。
戦国最強のヤンデレ夫・細川忠興に縛られた細川ガラシャの矜持に触れ、リリは「自分の命を自らの意思で生きる」決意を固めていく 。
「遺品とは、持ち主がこの世に遺した『最後の願い』なのです」
死者の記憶を辿り、生者の意志を問い直す——。
孤独な二人の魂が織りなす、骨董調伏ファンタジー。