あらすじ
この世で最後に生きている人間が、最初に“死神”を審査する。
「被審査者:神。状態:消失中。」
それは、死神省が最も恐れた“バグ”だった。
死後の世界は、完全に制度となった。
「死神省」が魂の行方をAIアルゴリズムで判定し、天国も地獄も“適性スコア”で管理する。
だが、神の記録が消えた瞬間、死神たちは誰の指令にも従えなくなった。
召喚されたのは、唯一の人間職員――雨宮リク。
かつて「死神監査課」に属した彼の役目は、死神の倫理を審査すること。
第一死神《記録者》は語る。「人は死を恐れたがる存在だ」。
第二死神《選定者》は問う。「正義を数値化して何が悪い?」
第三死神《忘却者》は泣く。「悲しみを消せないのは、私自身だ」。
第四死神《反逆者》は笑う。「死から逃げることが、生の証明だ」。
第五死神《創作者》は書く。「死を物語に変えるのが、我らの義務だ」。
そして最後、第六死神《人間》が現れる。
それは、リク自身だった。
――この監査の結末で、「死」も「生」も意味を失う。
哲学×官僚SF×人間ドラマ。
死の制度を審査する人間が、世界を“救う”か“終わらせる”かを決める。