あらすじ
僕の目標は、ただ平穏に生き延びることだった。
魔力測定不能の「欠陥品」として名門貴族の家柄を捨て、魔法が使えないただの平民として、目立たずスローライフを送るはずだった。
……それなのに、入学初日の魔力測定で【水晶】を爆破してしまったせいで、僕の計画はすべて狂ってしまった。
僕がぶち込まれたのは、規格外の能力を制御できないバグキャラばかりが集まる吹き溜まり「Eクラス」。
魔法を使えば自爆する金髪お坊ちゃんに、質量がバグって動けない巨漢、触れたものを全部共振破壊するアホの子、座標がズレて消えかける小動物系女子……。
「……しょうがない。僕が全員まとめて最適化(デバッグ)してやる」
魔法は使えないが、僕の右目【解析眼】にはこの世界の魔法がすべて「書き換え可能なコード(術式)」として見えていた。
僕が彼らのイカれたスペックを少しばかり裏から調整してやった結果――仲間たちは、エリートたちを次々と粉砕する「最強の怪物」へと変貌し。
「ほら見ろ、僕の調整した仲間たち最高だろ?」
大暴れする彼らを後ろから眺めながら、余裕の『後方腕組み彼氏面』をキメていた。
……だが、僕は気づいていなかった。
僕がドヤ顔でシステムをハックしているそのさらに後ろで、担任の変人女教師が、僕らの様子を見て『腕組み彼女面(ニチャア)』をしていたことに。
待て。もしかしてこの理不尽な世界のルール(魔法)も、僕らが無双しているこの状況も、全部あの女の手のひらの上なのか……!?
これは、魔法を持たない最弱で最強の技術者(デバッガー)が、ポンコツな仲間たちを最強の矛に仕立て上げ――黒幕すぎる女教師に弄ばれながら、世界のシステムそのものに反逆していく、血と涙のハッキング・サバイバル。