あらすじ
山と森に囲まれた小さな村タルム。十六歳の少女・セーラ・サバーは、村の「便利屋」として困りごとを解決して生きている。見た目は普通の村娘だが、この体に宿る「中身」はもっとずっと長く生きている──それは今のところ秘密だ。
ある朝、村が騒がしくなった。祭りの準備金が消え、名家ウォルド家の形見の宝石も失われた。村人たちはすぐに「よそ者」に疑いの目を向ける。五年前に流れ着いた無口な青年・リオンが、その標的になった。
セーラは動いた。ただ頭を使って、話を聞いて、真実を探して。
二つの事件の裏に隠されていたのは、領主の理不尽、父を助けたいという切実な思い、そして二つの家族をまたいだ古い絆だった。
──そして謎めいた執事セイヴァンは、亡き祖父のことを何か知っているらしい。
魔法が封印されて久しいこの異世界で、少女探偵の事件簿は幕を開ける。