あらすじ
三百年間、魔王ヴァルトは「魔王国」を統べてきた。
法があり、文化があり、秩序がある——人間の国と何も変わらない国を。
ある日、人間の国が「勇者」を召喚する。
だがその青年は英雄ではなく、神官たちに魂を書き換えられた生きた兵器だった。
交渉は失敗した。王都は一夜で陥落した。
しかし魔王は——笑っていた。
脱出前の三ヶ月で、人間の国の内側に三十一の「種」を仕込んでいたのだ。
チートなし。武力なし。
ただ「人間の欲・恐怖・愛」を読んで動かす、静かな謀略だけで。
二十年後。勇者を神と崇める宗教が国を腐らせ、
民衆が「英雄は本当に正しかったのか」と囁き始めたその年——
東の国境を、一人の老いた行商人が越えてきた。
種は、咲く頃合いを待っていた。
魔王は詫びない。急がない。
ただ——正しい場所に、正しい石を置き続ける。
※勇者=善・魔王=悪の構図を逆転したダーク謀略ファンタジー
※チートなし・ハーレムなし・全12話完結