あらすじ
久我幹人、34歳。大手企業の法人営業として“無理な案件を無理と言いながら落とし所を作る”日々を送っていた――はずが、通勤中に異世界へ召喚された。
彼を呼んだのは人間の王ではない。魔王ヴァルディスだ。しかも魔王は、勇者テンプレの台詞を唱えた直後に土下座する。目的は討伐ではなく、周期的に送り込まれる少年少女の“勇者”が生み出す戦争ループの停止だった。
この世界では女神がほぼノータッチになり、祈りは手続き、神への感謝は音声で通る認証の抜け穴になっていた。手順を誤れば監査天使が現れ、魔族には重い罰が落ちる。
ミキトに付与されたのは剣のチートではない。合意を契約として固定する力だ。魔宰五卿に囲まれ、魔王直属の「異界勇者特命官」として、停戦条約、捕虜交換、監査回避、勇者の仕様解析までを一手に背負うことになる。
剣より契約書。神秘よりプロトコル。サラリーマン勇者は、会議室から世界を変える。