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魔王はいる。 世界もある。 なのに――何も起きない。 討伐のため魔王城を目指した勇者は、戦いも事件も発生しない世界に放り出される。 受付では止められ、会議は終わらず、結論は出ない。 剣を抜く機会すら与えられないまま、 勇者は今日も「出番」を探して城をさまよう。 これは、 世界を救うはずだった勇者が、 何も起きないことに一番困っている話。
魔王城の書記は、今日も「決まらなかったこと」を記す。 魔王は何もしないと決めた。 幹部たちも、世界の問題に手を出さず、ただ見守るだけ。 会議室では議題が並ぶが、結論は出ることなく、記録はただ積み重なる。 そんな中で書記は、無言でその記録を続ける。 勇者たちの騒動、世界の困惑、そして解決の見込みのない問題たち―― すべてを、決して消さずに、ただ書き留めていく。 この城で決まらないことは、全てが「誰かの考えを待つ」ことの証しだ。 そしてその空白を、書記は黙って記し続ける。 だが、ある日、会議室の扉を開けて入ってきたのは、予想外の人物。 果たして、書記はこの世界に何を記し続けるのか? それとも、今度こそ、決まらなかったことを記録し終えるのか?