あらすじ
地下アートバー「Noir Knot」。
沈黙だけが満ちる舞台で、縄は欲望ではなく“形を誘惑する線”となる。
四点支持で浮かぶ女性特有の括れ。
その柔い曲面は、後手で芯を寄せられ、一菱で軸を定められると、
わずかな呼吸の波でさえ艶を帯びてゆく。
張り縄は肌に触れぬまま輪郭を導き、
半荷重吊りがそっと重力を揺らせば、床に沈んでいた括れは、
空中で“見せる線”へ変わる。
この舞台で身体は従属ではなく、縄と共に造形をつくる器となる。
縄師、芦原匠は、末端の色や呼吸の揺れを読み、
美と危うさの境を静かに選ぶ。
描かれるのは裸身ではなく、技法と呼吸が交わる瞬間にだけ生まれる、
無音の官能美。