あらすじ
地下アートバー「Noir Knot」。
歓声も私語も禁じられ、響くのは縄の擦過音とモデルの呼吸だけ。
この沈黙の舞台で、派手な構成で魅せる先輩縄師たちと、
基礎を守り忠実に積み上げる見習い・芦原匠が、静かに交錯していく。
舞台を支えるのは、経験と矜持をまとったモデルたちだ。
空気を変える身体を持つベテランのアイビー、
観る者の視線を正確に導く玲奈、
外の競技世界から招かれた榊原ほのか。
彼女たちは“縛られる存在”ではなく、縄と対話し、
演目を完成させる共同制作者として立っている。
匠は可動域や末端の色、呼吸の揺れを読む「基礎の観察」を重んじ、
危うさを察知すれば静かに介入する。
誇示より安全、美より倫理が問われるこの空間で、縄は欲望を描かない。
描かれるのは、判断と信頼、そして身体が語る沈黙の美。