あらすじ
アラバマ州モンゴメリー。黒人教会の信徒会長ジェレマイアは、膵臓癌で余命半年を宣告される。
幼い頃から信仰深く育った彼は、しかし長年、祈りの最中に拭えない違和感を抱えていた——教会の絵画やステンドグラスに描かれるイエスは、いつも金髪で碧い瞳を持ち、透き通るような白い肌をしている。神様は、白人だけのものなのだろうか?
無実の罪で処刑された黒人青年エドワード・R・ジョンソン。ジョギング中に射殺された黒人少年。抗議の意思を示してひざまずくフットボール選手。「Black Lives Matter」の運動。黒人たちが繰り返し理不尽に命を奪われていくこの国で、神はどこにいるのか——。
残された時間がわずかだと知った彼は、ある決意をする。「この地に住む黒人たちが、白人と同じように『神は私のものだ』と言える教会を残したい」
彼が目指したのは、黒い天使が立つ、新しいステンドグラスだった——。
実在の殉教者と現代の社会問題を織り交ぜながら、信仰・人種・アイデンティティの狭間で揺れる一人の男性が、死の間際に遺したものとは。