あらすじ
黒死病が娘を奪った日、木工職人ギデオンは深い絶望の底へ落ちた。
彼は毎晩、奇跡を願いながら祈り続けた。
そして――月が欠けた夜、天から光が降りそそぎ、
木は泣き、命を得た。
こうして生まれたのがピノネラ。
“借り物の魂”を宿し、愛も痛みも感じる木の少女。
しかし王国では、「獣の彫刻師」と呼ばれる闇の魔導師が子供たちをさらい、
人間の魂を残したまま、ロバへと変えて
ダイヤ鉱山の奴隷として働かせていた。
ピノネラは、変えられた子供たちがまだ“人間として泣いている”ことを知る。
彼女は決意する。
――彼らを救うため、自らの命を賭けて闇に立ち向かうことを。
その小さな木の少女の犠牲が、
やがて世界の運命を大きく変えていく。