あらすじ
入学式の独唱を任された少女・雫は、夢の始まりを感じていたその瞬間、崩落事故に巻き込まれる。
目を覚ますと、西暦7024年。かつて世界自然遺産と呼ばれた石林は、巨大な気候制御塔と融合した天空都市へと変貌していた。
この世界は十年間、一滴の雨も降らない乾いた王国。
統べるのは、龍帝・蒼冥。人類の乱開発を止めるため、自ら雨を封じた孤独な支配者だった。
“雨を呼ぶ声の転生体”として召喚された雫――シー・ユエは、龍帝の花嫁候補となる。
だが古代儀式では、花嫁が龍核と融合し命を捧げる運命にあるという。
再び誰かの犠牲になるのか。
前世で想いを伝えられなかった後悔が胸を刺す。
やがて気候制御塔が暴走し、石林は崩壊寸前に。
蒼冥は龍の姿を解放するが制御できない。
雫は逃げないと決める。
歌で世界を震わせ、龍核を書き換える。
犠牲ではなく、“命を共有する回路”へ。
翡翠色の雨が、ついに空から落ちる。
孤独な龍帝と歌姫が選んだのは、支配でも献身でもなく、共に生きる未来。
これは、乾いた世界に最初の一滴をもたらす、異世界転生×龍帝ロマンス。