あらすじ
冒険者ギルドに張り出されていた一通の依頼ーーとある貴族令嬢への剣術指南は、住居に食事、そして酒まで保証されるという好条件だった。
Aランク冒険者の女剣術士は、「お嬢様のチャンバラ遊びに付き合ってればタダ酒にアリつける」と、軽い気持ちで依頼を受けていた。
「お嬢様、今日はここまでにしましょう」
「ま、まだまだですわ」
「行き過ぎた訓練は身体を痛めつけるだけです」
お嬢様は、本気だった。
稀人――異なる世界からの転生者である令嬢エヴァには、ある未練があった。
ケンドーなる剣術を極めたい。
ケンドーにおける剣聖の称号『ハチダン』を極めたい。
不意に、エヴァが時代遅れとされる両手剣サイズの木剣を構えた。
「セイガン」と呼ばれる、異界の剣術の構えであった。