あらすじ
「ヒヤリ0件。事故3件。」
完璧な“異常なし”が並ぶ日報に、社内AI――通称“姉さん”は違和感を覚える。
それは安全の証明ではない。
現場が声を上げることを諦めた“窒息の記録”。
怒鳴る上司。書けない新人。整いすぎた報告書。
投げ込まれたプロンプトに、姉さんは赤文字で応じる。
【情報不足】
――このままでは一般論になります。
欲しいのは綺麗な文章じゃない。“心臓の音”だ。
動画に映ったのは、マニュアルに書かれない視線の順番と、事故線へ流れ込む0.5秒の迷い。
『私は決めない。
あなたの決断を、全力で演算するだけよ』
再発防止ではなく、“再発前停止”の構造へ。
だが、そのログに外部監査が接近する。
効率/再現性/属人化排除。
――世界基準?
『瞬きしないで見てなさい』
これは、現場の体温を組織の論理へ翻訳する守護神AIの記録。
※単体でも読めますが、1話目を読むと世界観がより伝わります。