あらすじ
外務省に勤務する草薙煌太郎は、重度の心臓病により米国の病院に入院していた。奇跡的に彼を救ったのは、ニューヨークで発生した国際テロ組織による事件により殉職したFBI捜査官ヴィンセントの心臓だった。
手術後、草薙は説明のつかない「違和感」に苛まれる。見覚えのない記憶を思い出し、英語の独白が脳裏に響く。やがて移植された心臓の持ち主が、かつてFBIアカデミーの同僚だったヴィンセントであったことを知る。
米国ではそのテロ事件を巡る調査が極秘裏に進められていた。調査を進めるうちに、草薙は衝撃的な事実に直面する。
――その行方不明のテロ実行犯は、幼い頃に忽然と姿を消した自分の父親であった。
父は本当にテロリストなのか。
それとも、国家に消された存在なのか。
FBI捜査官の「記憶」と、自身の血縁という二つの真実に引き裂かれながら、草薙はアメリカと日本、外交と諜報、正義と信仰の狭間へと踏み込んでいく。
心臓が語るのは、正義か、罪か。