あらすじ
三百年前、世界最大の原子力発電所で事故が起きた。大きな地盤沈下を引き起こすほどの大爆発。核燃料は海の底へ沈み、海水を無尽蔵に蒸発させ、それは雲となり地球の空を覆い尽くした。陽の光が届かなくなった地球は一気に寒冷化。雲は雪の結晶となり、三百年もの間、ニュークリア・スノウ(放射能汚染された雪)はずっと降り続けている。
この雪の世界で生き残るために、人間は六つの塔を建造してそこに閉じ篭もった。そして、限られた資源を奪い合う過酷な戦いが続いている。
少ない資源によって、あらゆるものが合理化・最適化された世界。そんな世界で発達したのが、スキー型の戦闘装備兼移動手段『アイクス(Iks)』である。板の底には高速で回転するタイヤが存在し、ただ滑降するだけでなく上り坂でも登ることが可能になった。ストックに付いたアクセルとブレーキでスピードを制御し、さらにストックはボタン一つで双剣に変化する。
白燕の塔は黒鷹の塔に支配された。白燕の兵士だったミツバは、黒鷹へと移送され労働させられることになる。彼は一度は自死を決意するが、黒鷹の兵士であるサクラと出会う。ミツバは彼女の元で働きながら、いつか黒鷹に復讐することを誓う。
ミツバは裏の世界で生きることになるが、黒鷹でいくつかの不可解な状況を目の当たりにすることになる。だが、激しくなる戦火。ミツバもそれに巻き込まれていく。そして明らかになる、三百年前の真実。絶望的な世界で、それでもミツバは剣を振るう。
これは理不尽な世界に抗う、一人の少年の物語。