あらすじ
惑星メナリス——効率こそ正義、合理性こそ真理。
そんな星から派遣された第三調査隊の任務は、地球という“不思議な惑星”に住む人類を 観察 することだった。
……そう、ただ観察するだけ。
だが彼らにとってそれは、この上なく愉快な娯楽だった。
ラッシュ時、押し合いながらも「すいません」を連呼して進む“すいませんダッシュマン”。
座りたいのは疲れ切った若者なのに、元気いっぱいの高齢者が勝ち取っていく優先席バトル。
「どうぞ」と声をかけただけで逆に怒られてしまう学生の親切地雷。
——まるで地球人は、観察されるために生きている動物のようだ。
メナリスの隊員たちは思う。
「人類という種は、不合理ゆえに絶滅を免れているのでは?」
人間が動物を観察して動物図鑑を作るように、
宇宙人は今日もせっせと“地球人観察報告書”を記し続ける。
これは、観察大好きな宇宙人が真剣に観察した結果、
いつの間にかユーモラスな人類賛歌になってしまった——そんな報告記録である。